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【第2回】ワールドカップサッカー日本代表選手たちに思う ~若者は一度は都会に出て成長を~

7月27日
読了時間: 4分

 青森県は、高校卒業者の県内就職率が約6割に止まり全国46位の低水準と新聞発表されました。※最低は鹿児島県 高校卒業生10人のうち4人が県外に仕事を求めて流出していることになります。地域にとって若者の流出は見過ごすことはできませんが、見方を変えれば、それだけ青森の若者が広い視野で日本の社会経済のために県外で頑張っていることになります。現に、青森県知事も一旦は地元を離れて国家公務員として国のために貢献し、その経験を活かして市長、そして今の知事があると言えます。

 今年は4年に一度のワールドカップサッカー2026が北中米のカナダ、アメリカ、メキシコの16都市で開催され、決勝戦はスペインと前回優勝のアルゼンチンが対戦し、延長の末、スペインがアルゼンチンを1-0で破って4大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。日本チームは決勝トーナメントに進出しましたが、1回戦でサッカー世界王者ブラジルと対戦し、先制点を取りながらも惜しくも敗退して決勝トーナメント初勝利はできませんでした。試合前、日本の監督や選手たちは「優勝をめざします」と熱意を語っていましたが、一昔前なら“なにを戯言を”と言われかねなかったと思います。それが今の日本チームは優勝をめざすと言わしめるまでに成長したと言えます。技術や体力、チームワーク、力強さが格段に向上し世界に通用するまでに大きく成長したと、多くの国民が思っていることでしょう。また世界が日本サッカーの強さを実感したことも確かだと思います。日本サッカーの強さを世界中に知らしめた選手たちに拍手を送りましょう。

 では、その日本サッカーの成長の原点はどこにあるのだろうかと、ふと考えてみました。日本代表選手の大半は、世界の一流選手が集まる外国のプロチームに所属していて世界レベルの厳しさを身をもって体験しています。そのことが日本選手の技術・スキルや体力を向上させ、日本サッカーが世界に通用するまでに成長している一つの要因ではないだろうかと思いました。

 そうした大きく成長した日本選手や日本サッカーを見ていて、ふと地方の活性化に置き換えてみました。地方が成長して強くなっていくには、次代を担う地域の若者に旅をさせることが必要ではないか。“可愛い子には旅をさせろ”の諺がありますが、果たして若者を地元に引き留めることがその地域の成長のためになるのか。そのことに固執することは若者の成長の芽を摘んでしまうことになるのではないか。むしろ、若者は一度は、都会に出て日本全体や世界の視点にたって荒波にもまれながら仕事をし、技術やスキルの向上、人脈づくり、力強く生き抜く力を養う、昔で言えば武者修行・他流試合をさせることが、地域活性化の一つの源泉になるのではないか。そして一定期間を都会で働いた後、Uターン・Jターンを希望する者も多くいることも事実ですから、経験とスキルを積んだ人材を誘致し、地域側が円滑に受け入れられる環境を整えることが求められているのではないかと思うのです。

 明治末期から大正時代に東北振興のために活躍した岩手県一関出身の浅野源吾(国策会社であた東北振興会の理事)は、生存競争の激しい時代に消極的になることは他に負けることである、東北の商工業を発展されるためには、東北人が積極的に中央に出て様々な人々と交わること、そして子弟を東京に出して商工業の教育や商売の実地を経験させることが重要である、と説いています。

 ※「東北日本」第5巻第2号、3号 1920年12月1日、1921年1月1日 「東北地方の積極的活動時

   代」より 浅野源吾は東北青年連合会を設立し渋沢栄一とも交流を重ね東北振興会の理事に就任

 

 いま全国の自治体では、若者の流出を食い止める施策が金太郎飴のように打ち出されていますが、一度はふるさとを出て異文化に触れ、故郷とはちがった世界・社会を体験しようとする若者のチャレンジ精神を大事にしてやらねばいけない、それが次世代を育て、地域の経済を底上げし成長させていく原動力になるのではないか。そしてUターン・Jターンしたい者、移住したいものには門戸を開放して、働きやすい環境を整えることが必要ではないか。 その一つが、都会で培った能力や経験を活かした“創業・起業”への強力な支援ではないか。若者の流出防止のために相変わらず工場誘致に熱心になっている自治体は多いですが、先行き不透明な経済環境のもとで景気動向に左右される企業の生産工場を誘致することにはリスクを伴います。また若者の就労に対する価値観も多様化しています。今、将来にわたり若者が仕事に何を求めているのかを把握し、地域振興=工場誘致という固定観念にこだわることなく、一人ひとりの個性に応じた就労のメニュー・選択肢を増やす柔軟な発想と創意工夫が欲しいところです。

 ワールドカップサッカーでの日本選手の活躍の姿に、地域の活性化のヒントを見たように感じました。                          

 
 
 

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